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言葉の力

言葉の魔法を見つけました。
マイミクの山本加津子さんの日記より・・・。
心がいっぱいになりましたので・・ここに・・貼り付けさせていただきます。
加津子さんこと・・かっこちゃんは、養護学校の先生・・かつ・・執筆家です。


夏休みが始まる頃、りゅうくんから電話がありました。「僕、夏休みにアルバイトするよ。ほら、前に実習させてもらった工場で、アルバイトしないかと声をかけてもらったんだ。アルバイト、がんばれば、就職もさせてもらえるかもしれないんだ」りゅうくんの声ははずんでいました。私もとてもうれしかったです。
 その工場では、実習の時、段ボールに入れられた重い製品をトラックに積み込む仕事をさせていただいていました。私などは持とうと思ってもびくともしないほど重い段ボールの箱を、60才をとおに過ぎておられると思われる会社の方が、どんどんトラックの荷台にきちんと積み込んでおられました。力には自信があると言ってたりゅうくんでしたが、3つめを運んだ辺りから、表情が変わり、5,6箱運ぶうちにスピードがみるみると落ちていくのがわかりました。7つ目を運んだ時、とうとうりゅうくんは、箱に手をついて、仕事を中断してしまいました。私はハラハラして、でも無理もないなあとも思ったのです。そのときに、工場の方が声をかけてくださいました。「君は見込みがあるなあ。おじさんは最初3つ運んでもう座り込んでしまったもんだよ。君なら大丈夫。行けるよ。あとはこつだよ。君より僕の方が力がないからな」
 りゅうくんはその方の言葉に元気をもらって、また、段ボールを運ぶことができました。その日が終わる頃、りゅうくんはもうすっかり疲れて、何もおしゃべりできないほどでした。実習は二週間、体が持つだろうかと私は心配になりました。工場長さんがそのときに、来られて「君はすごいなあ、一日がんばってくれたんだなあ、尊敬するなあ」と言われました。そのとき、るうちゃんの目が真っ赤になっているのがわかりました。私も工場長さんの言葉に心が震えて涙がでました。「明日もがんばります」とりゅうくんが工場長さんの顔をしっかりとみて、頭をさげました。工場長さんは頭をなぜて「うれしいなあ」とおっしゃいました。
もし、工場の方が、「がんばれよ」「もっとやれるだろう」と工場長さんが「まだ一日目だぞ」と言われていたら、りゅうくんはもしかしたら実習をちゃんと終えることができなかったかもしれないなあと思うのです。
りゅうくんは、もう10年以上もその工場でがんばっています。大切な仕事を任せられているのだそうです。

by u-on358 | 2008-06-17 22:08 | マイライフ | Comments(0)